在宅医療

訪問診療について

  • 医師が、患者さんのご自宅を訪問し、定期的に診療を行います。総合病院や専門医を受診されている場合も主治医と連携して訪問診療が可能です。
  • 夜間や休日も必ず電話対応し、必要に応じて往診します。
  • 入院が必要な時はご希望の病院や連携病院への紹介・手配を行います。
  • お薬は、かかりつけの調剤薬局に取りに行っていただくか、宅配サービス(薬局薬剤師による訪問服薬指導)をご利用いただくことも可能です。

このような方を対象としています
▼病院から退院してご自宅で療養される方。
▼医療機関への通院が困難な方。
▼ターミナルケア(安らかな最期を迎えるための援助)が必要な方

訪問診療の流れ

  1. まずはお電話にて患者さまのご様子をお知らせください。
  2. 初診に先立って、できればご家族が当院にご来訪いただき、病状の聞き取りや説明を行います。
  3. 現在の主治医より紹介状をいただき、スムーズに引き継ぎを行います。
    現在入院中の方は、退院前に入院先の病院にてカンファレンスを行う場合もあります。
  4. 医師がご自宅にお伺いし、初診となります。
  5. ご本人の様態やご家族の希望等を照らし合わせ、その後の診療スケジュールを決定します。

費用について

各患者さんの医療費自己負担割合に応じた金額となります。
▼後期高齢者医療被保険者証あるいは高齢受給者証をお持ちの方
⇒受給者証に記載の割合(1割または2割、3割負担)
▼その他の方(国民健康保険・社会保険等)
⇒3割負担

当院は「在宅療養支援診療所」として、連携の診療所、訪問看護ステーション、薬局などと連携し、訪問診療の患者さんに対し24時間患者さんをサポートできる体制を作っています。

在宅看取りについて

日本でも昭和30年代までは、自宅で看取ることは普通のことでした。当時は実に8割以上の方が自宅で最期を迎えられましたそうです。ところが現代では逆に病院の方が大半となり、日本人の9割近い人が病院で亡くなられています。入院をさせ、本人が望まない点滴や胃ろうでの栄養補給を続け、むしろ体に負担がかかり苦しい中、最後を迎えると云うことも往々にしてあります。

一方で、最期まで自宅で過ごしたいという願いを持たれている方も、国民の半数以上おられるにもかかわらず、在宅での看取りに対応できる医療や介護の体制が整備されていないことが、在宅での自然な看取りが進まない理由となっています。

安芸市では安芸市地域包括支援センターを中心に「安芸市在宅医療介護連携推進プロジェクト」を数年前から立ち上げ、安芸市の医療や介護にかかわるメンバーで定期的な勉強会、講演会、市民向けの「看取りフォーラム」などに取り組んでいます。

私もこのプロジェクトの委員長として数年間活動を続けていますが、すべての方でなくても、自然な看取りをご本人、ご家族が希望する方がおられれば全力で、ご協力したいと思っています。安心して最期まで自宅で過ごせるように私たち医療や介護の専門職が力を合わせてご本人、ご家族に寄り添っていけたらと願っています。